三位一体療法のススメ[その3]肥満につながる生活習慣・行動をはっきりさせて、その改善をめざす・・・・・・それが、行動療法です。まず、問題となる習慣・行動を分析し、次いで、そう行動させる誘因は何かを明らかにしてから、誘因に対する肥満者の反応を改善するようにします。 問題となる習慣や行動は、例えば、ストレス解消の“気晴らし食い”や、“イライラ食い”、家族の食べ残しをもったいないと口にする“残飯食い”(代理摂食)、人の勧めを断わりきれない“つきあい食い”、目の前の食物につい手が出てしまう“衝動食い”など、思いあたる人が多いはずです。 無意識のうちに、こうした行動をとり続ける肥満者がほとんどなので、行動療法ではまず、「食事日記」を書いてもらい、自分の食行動の異常に気づかせます。 食事の開始・終了時間、食事内容(可能な限り詳しく)、おおよそのエネルギー量、食事した場所、どんな状況で食事したかなどを、その日のうちに記録してもらいます。毎日の生活をグラフ化し、食事時間の偏りを見つけやすくする方法もあります。 食行動をできる限り、客観的に評価し、問題の行動を改善するようにするわけです。毎日の体重の記録をグラフにし、どれだけ効果があったかを観察するのもいいのでしょう。 肥満は生活習慣病であることを忘れずに、いつも前向きに、体質とライフスタイルの改善に取り組んでほしいのです。そうすれば必ず<健康的でスリム>という目標に到達できるはずです。 参考文献 (1) 肥満・肥満症の指導マニュアル、日本肥満学会 肥満診察のてびき編集委員会編 医歯薬出版株式会社 1997 (2) 体脂肪が気になる人の内臓脂肪型肥満予防 池田義雄監修 女子栄養大学出版部 1997 |